雨の街
ここには何も思いはない。トカゲに、でもここにいることは何であるかを思わされるのだ。皮を理解することで、僕は何かを考える。そこには、水が置かれていたことを、花瓶によって、認識させられるのだ。いつのまにか壊れた感覚を持つことで。ふと、今日もゴミを出したと知るのだ。意識に、理解することによってではなく。バナナに、甘いのだということを、リンゴを、物体として、そこで知らされるように。
靴は干されることをそこで忘れた。もう、あきらめたように濡れたままで。そして隣町では冠水で、車が沈んでいた。まだ、新しいやつだった。廃車にするにはもったない。そう思った時に、でも、木々はいつものように葉をまとったままだったのだ。意に関せずいたほうが被害をまぬがれえるのだということを知っていたかのように。車として生まれて来なかった、幸運さをそこで木は訴えていた。車会社の幹部は水没対策を余儀なくされた。コストを下げなければならない。そこに、特殊車両事業部の知る、軍事車両の技術を使って。