自分の道を行く

時々テーブルに置かれているガラスのコップを見ている。存在しない何かであるかのように思いながら。遠くに出かけることを夢に見ている。見えている景色の色を、感覚によって捉える。どこかに出かけていくことで。今日は、上野を少し歩いていた。一体、上野に行ったのは、何年ぶりなのだろうかと思う、でも、良い思い出があるという街でもなく。かつてあったミスドも無くなってしまっていた。人混みも好きな方ではないのである。振り返ると、桜が、確かに、でも少しだけ咲いていたけれど。僕にとっては、東京と言うと、秋葉原の印象の方が強かった。やはり人で溢れていて、その、中には入れなさそうなので遠くから見ておくだけにしたけれど。目的の場所もないまま歩きまわると、至るところで催しのようなものがなされていて、夢を見ているような気分になる。現実で、目まぐるしく変化している場所というのは、いつも、そう思えるように。