道での思い

少し走ったら暖かかった。いつもある、倉庫の建物に囲いがしてあった。だから、正方形になって見えた。どんな色や形をしていたのかは、何も覚えていないのだが。横を走り抜けると、川の柵が低くなっているところがあるので、落ちそうになるので気をつけた。僕は昔、タイの、サムイ島で休息をとっていたことを思い出していた。船の乗り継ぎで、次の島に向かうまでの、停泊中だった。でも、しかし表立った店はなく、食べるものも無いので、屋台で食うことにした。ニワトリが放し飼いにされているような、景色の島。プーケット付近からのとにかく長い航海で、冒険リゾートに行くはずだった港のベンチに座っていた誰もが疲れ果てているように、見えた。僕も昨夜は深夜便だった。そこから宿泊したドミトリーからの、キツい日程だった。その日も屋台で、カオマンガイを食べたが、それは美味しかった。やや若い客が多かったテーブル、アルミテーブルに置かれたスイカジュースは喉を潤してくれた。

僕はそれから歩いてほど近いホテルに戻って、シャワーを浴びた。暑いけれど、ジメジメしているというわけではない。近くのベッドには、日本人らしきおじさんがいた。空港近くの、観光地も無いような地域のドミトリー、道路を照らす照明と、バイクや車の光の流れだけがある。でも、こういった場所を、一体なんと呼べば良いのかは分からないが、入り口には仏教の仏壇が、どの店にもあって、そこは市街地よりもタイらしい光景だったのかもしれない。そんなことを思い出しながら僕は眠った。