スピッツを聴いていた週末
一体何をしているのかを考えているときの中で、過ぎていた休日の虚しさ。今日はぼんやりと池袋の北口にある釣具屋に出かけた。池袋の中でもそこは、怪しいエリア。サンスイというフライフィッシングの道具を扱う富裕層志向の釣具屋がソープランドの隣にあるのは、意外な立地ではある。そのとなりにあった、上州屋の中でも比較的大きい店舗が看板を掲げている空を見上げると、どこにでもありふれているようでいて、そして、dvd鑑賞BOXの光のように見慣れない、不思議な景観だった。
僕は何かを考えていたような気がするのだ。それとも、ただ、夢を見ていたのか。そして、背中を掻くと、アレルギーの炎症から血が出た気がしたありふれた感覚の中で、何かを感覚することによって街で生きているような気がしたが、僕であるということは考えることではないのかもしれなかった。昔、中学の頃走っていたランニングコースの風景、そこを走っていた同級生や先輩たちの姿。後ろを振り向くと、まばらな、こちらへ駆けてくる人の姿のある細い道が続いていた。
僕は奇妙な色のルアーを手に入れて、そして、店を出た。すでに、風俗街の中でかつてのような強烈な性欲を回復したいと思っていたが、バイアグラでも使わないことには、出せる気力はなさそうだった。それよりも、きっと素敵な出会いがサクラカフェに行けばあるかもとは思ってはいたが、感染予防のために自粛したのだった。