
昨日は久しぶりにsと池袋で会い、音楽談義をしていた…。そういった人は周りにいないので、じつは貴重な存在なのかもしれないと思う。目の前にいた彼は、今も相変わらずの、取り留めのない暮らしをしているようだった。その喫茶は毎回利用しているのだが、喫煙であることを我慢すればコーヒーの味自体はかなり美味しいと思う。口の中で、非常にシャープな飲み口に感じられるのだ。店の中で彼の顔を見ながら遠くの方で彼と会った日のことを考えていた気がした。疲れ果てた僕が失業していたということもなかったわけではない。ツタヤにすら行くことなく、ミスチルの新譜ばかりがリリースされていたことを知らされた日々の記憶。空ばかり見つめていたのは僕のことではないし、何もしていなかったわけでもない。
自分であることを時々思い浮かべながら、階下へ。空はいつまでも、曇っていた。僕がこの街で生きるということは思っていたほどたやすくはない。人が出入りするドアの開いたニコ動のあるパルコの中に入ってみる。奇異なる目を周りから感じさせられながら、乃木坂46のパネルの枠の中で写真撮影を敢行した僕だった。自分であることを考えさせられながら、絶えることなくリリースされ続けるしらないバンドの新しいアルバムを手にとった。白くて、美しくて、かわいい女の子に憧れていた頃も、確かになかったわけではないのかもしれない。そして僕は、今の自分に満足しているわけではないということを、思い続けたいというわけでもなかった。いつまでたっても、雨の止むことのない雲の向こうを見ている通り。僕はユニクロへと流れ込まされそうになる、背中を向けたカップルの後ろ姿を見つめさせられていた。
僕はいくら独身であっても会社とは別の人間関係を作りたくなるというのが人間の本能だと時には思う。僕は毎朝cnnをチェックしていはいない。僕はUKの首相の演説を見ていて、女性の首相がいるということは本当に素晴らしいことだといつも感じさせられてしまう。英語という言語に、女言葉というのは存在自体しないことを、僕は思い出させられる。しかし、首相のみならず、議会にも女性は男性と同じくらい多いのである。きっと、彼らはそのようにしながら非常に理性的な言語を用いながらも文化的な考えをすることができる土壌を、あらゆる場所に作り上げているのである。