ドトールに泊まりたい

広島焼きをする僕が、そうだと思っていた焼きそばの麺ではなく、それがラーメンの麺だと気づくのに時間はかからなかった。麺以外にも最近、どうにも間の抜けた僕で。ため息をつきながら、ノイズの向こうにAMラジオから流れてきていたチェッカーズの曲を口ずさむ。思い浮かべる、サザン、それにユーミンなどの流行歌。それを録音して、家族で車の中で聴いていたあの頃…。蒸し暑い夏の暗がりの向こうの歌声、時々ラジオから、気になる曲が流れてきた。当時はあまり知られていなかった破天荒だったサウンド。あれは、ユニコーンのよくわからない歌詞、それが微かに聴こえては消えていた。そして、それは、大迷惑という歌だった…。漫画だってアニメだって、TV番組や映画だって、小説だって、隙間のないくらいに、ヒット作に恵まれていた気がする、あの頃は本当に…。コンテンツではなく、ソフト自体に恵まれていた時代。面白かった、少なくとも僕にとってはそうだったんだと思う…。

 

そこはかのない冷淡さといえるかどうかはわからないが、今日も赤坂のドトールコーヒーの奥のところのポジションで。どこかそんな感じのする人の間で、アイスティーを僕はひたすら飲んでいた…。本当は、バンズのスニーカーを買おうと思っていた。そして、シュープリームのイカしたキャップ。シューズのことを、考えすぎた。この暑さは、メルマガのよくわからないコーディングに、ジャックされたことによる。翻弄されては、いつもつまらない夏ばかりが通りすぎた。この夏も、本当に、だから…さあ行こう。一人で行ける、そこに。どこに行くにも同じ場所はないのだから。