子供の頃のことなど

今は何もこうしていることを考えていない。景色は、色を変えていくだけの、風景だった。昔のことを思い浮かべてみたのだが、新しいこととして、でも、不確かな、知るべき言葉を感じていた。色づいていた、秋の公園のようにも見える、子供の頃は気にもとめていなかった景色のどこかへと行く。誰かの遊んでいるどこかの景色から声が聞こえてどこにいくのだろうと僕は思う。でも、同じ場所はどこにもないのだろうけれど、そうすることを確かめたいと思っていたのだ。思うことのない夢で何かがあるだろうと時々立ち止まってみる、幸せだったと思う子供の頃の記憶みたいに。紙でできた飛行機を遠くに飛ばして遊んでいた頃、そして、実家に移り住み始めた頃の部屋は散らかっていた。部屋に落ちていたいくつかのおもちゃを手にとってみる、そこにはレゴブロックもあったもので、よく、奇妙な家を凝ってつくっていた。しかし、それは生きていくことの何の助けにもならなかったのである。流行りの終わったガンダムの消しゴムなどを手にしてみるが、柔らかさ以外に与えられるもののない、色だけの物体だった。

東京をはじめて見た時のような感覚を覚えていた。光の生み出すガラスの色やコンクリートを感じながら、親の後ろをついて歩いていたものだった。どこに行ったのかは、忘れたのだが、今でも覚えている、その日宿題をするのを忘れて僕は先生に翌日ひどく怒られたのだった。