波待ち湘南

ぼんやりと昨日は、海へ行ってきたというわけで。僕を取り囲む人々の、視線を中心とした様々な障壁と戦いながら、そこへ行くのは、去年よりもあまり簡単なことではなかった気がする。しかし、これは、ロックなんだと、僕は自分の心に言い聞かせながら、電車の吊り革に背を伸ばして、一人でつかまっていた。どこか暑さのためか少しだけぼやけて見えた流れていく窓の景色。昔はもっと、湘南に行くときには新鮮に見えていたものだったが、何度もこの経路で行っていると、なんとなく、セピア色に色あせて見えてくるものである…。やはり、何も考えなしに惰性で行動するのは、心が落ち着く分、物足りないものもそこにはあるのかもしれない…。でも、席が途中で空いたのはラッキーだった。年齢的に横浜から逗子まで立ちで行くとなるとかなり厳しいものがあった。ヘッドフォンからは、洋楽が流れていた。女が、時々前に座っていた。

僕は逗子につくと、モスに向かったわけだったが、ハラダという刺し身などの店があったので立ち寄ると、丁度客が出てきていたところだったので、中にはいった。中は、休日のイメージ通りで、一人できている客はいないという充実っぷりで。普段は並ばないと入れないような店ではあったが大した味の店ではなかった。というわけで、周りとは違うかき揚げ丼を僕はオーダーした。まわりは、しらす丼や高い刺し身をくっていたが…。僕はもう慣れているので、それはたのまなかった…。高いものはあまりうまくないということで定評がある湘南。まさに海の家の料理というか、埼玉的なB級グルメの街なのである…。高ければ高いほど、手のひらを返されたように、あまりうまくないものがデーンと出てくるという。しかし、そんなことにはなれていた。

バスを一人で待っていると確かに浮いたけれども。このバスが、立ち乗りだと地獄だというわけで、若手にそれは任せて一本遅らせた。すると、一番前に座れたというのは、ラッキーだった。見慣れたルートを通り、海に出ると、あまり感動は無かった。去年も見ていたからかもしれない。由比ヶ浜などの変な浜に行くのもたまには良いかと思った。僕はそこでゲイやレズビアンを、わりと見ていたけれども。まあ、20代だから。しかし今回は、おしゃれかつスタイルの良い人はあまり見なかった…。喪服を彷彿とさせる、黒い水着の人が多かった…。加藤リナの虹色のビキニのビデオを見たら夏が来たという感じが家でした。そういったクオリティを期待するのも、そのへんの浜では、難しいのかもしれない。