ラブホテルと空港

一体、昔のAVのエロさとはなんだろう。作り込みはもとより、女優と男優のエロい言葉の掛け合いがあった。あれは、怪しかったものだった。僕が埼玉の京浜東北線の駅から打ち捨てられた道を歩いていた日のような、人恋しくなるような寂しさのようなものでもある。人の行き交う駅前は寂れているのに、ラブホテルだけは、巨大に線路脇には建っていたこと‥。
飛行機に乗った僕は、それから、ポシェットのジッパーのほつれを隣のおばさんに直してもらっていたのだった‥。それから、フランス人カップルのいた空港の巡回バスに乗り、チェックアウト。足が棒になるほど、バスにライドしていた時間を考えると、ドンムアンとはいえ、割と大きい空港かもしれない。
重い荷物を通してチェックアウトし、預かり所があったのでそこで預ける。210円で24時間と、日本人にはタダみたいな値段である。サマソニの人々も見習って欲しいような。ぼんやりと、空港の外に出て、バスを待っていた。どこか生暖かい風が吹くターミナル。戻ってこられるのか不安だったが、いろいろなことに他の国でも慣れていたから、あくびをするだけの自信はあった。