南風は冷たい

風は南風だというが、少し冷たい気もする。そうではなく、寒さを感じすぎるからだろうか。僕の中ではまだ確かに冬の景色が残されていた。僕は今日の季節を理解することもなく。空であることだけが確かだった。身を切るような時間ではない。風は今日も吹いた。音を立てて、そして、あらゆるものを撫でては交わした、でも、倒すこともなく。光は、それを思い、知っていた。