サイクリングと株
僕の何も思っているわけでもない時間。意識することで、世界は開けていく気がした。思うということが、公園の何もない空間を漂っている気がする。知るということが、夜や朝といった時を、色としてそこに与えている。ベンチの上にくたびれたようにして座っている人、そうしていることで、でも、何をしているのだろうかと思っていた。暗がりの中で、夢の海でも見ているのかも知れない、それとも故郷の景色なのだろうか。でも、見ていても、僕は何もわからなかった。
パンクしていた直したばかりの自転車で外を走ってきた。ついでにペダルなども新調したものだ。軸がややずれていた気がしたが、自転車としては確かに走っていた。そんなことをしながらも、今度はどんな株を買おうかと僕は心の中ではしっかりと思っていた。そして今日も部屋に戻った。何かを、木々の間に探していたような気がする。