少し寒気がすると思っていたらアレルギーが悪化してくると出る症状らしいのだ。そして僕は今度漢方薬を買いに行ってみようかと思っていた。しかし、何でもネットによると薬局ではなく病院では、処方される種類に限りがあるとのことだ。この時期は憂鬱さと寒気との戦いである。夏まで続いてしまうのではあるが海に入ってこれを治すということが、でも、いつもの慣例だった。僕の例年の記憶の中では。チャットモンチーがラジオを聞いていると流れていたので懐かしいと思った。流行っていたのは、10年以上も前のことだっただろう、でも、まだ覚えている。僕は、埼玉で、たぶん働いていたような気がする。僕は矢沢永吉好きの店でランチを食べているといいともがそれを嘲笑したようなネタをやっていて気まずかった。それを店主が腕を組んで、でも、見ていたときの、背中。しかし、店はもう無いので、いくらでもそれについて言えるのだけれど、僕は、今日もここで生きていた。そして当時僕は、zaraの通販でズボンを買いまくっていた。買っては返品という流れを繰り返していたら、店の人に怒られた時のことを、よく覚えている、ちなみにそこは、そして、今はもうない渋谷のユニクロだったのだけれど。
時々眠る時に何かを思い出している。この間秋葉原に行ったら、昔とは様相が異なっていると思いながら、僕は、昔とは異なる景色の商店街に立っていた。静かな公園の前にあったはずの、パソコンショップの姿は今はすでに無くなっていて、ベンチの上に腰を下ろして、いつかここで同じようにしてケパブを食べた日のことを思い出していた。海からの風に吹かれているように思えていた。遠くに見えた外国から来たように思えた船、見慣れない文字の言葉を目に焼き付ける午後の、休日だというのに街は、静かだった。macやiPhoneがこの街を駄目にしてしまったのだと思う、それは出るべくして出たものではあるが、僕の行っていたエロゲーショップでさえも見当たらない街に僕は否応なく昔のことを思い出させられていた。僕の手についていたケパブの油、昔のようには食べられないということを気づかさせられる、それをゴミ箱に捨てて歩く、ヨドバシには寄ることもなく、そして僕は帰った。