銀座からの夜のパルコ
面白いことは何もないと、思いながら、生きているのだ。何も、と、でも、昨夜は銀座で忘年会をしていたが、同僚と顔を合わせたのは何年ぶりだろうと思っていた。交差点の見えるビルで、あまり来たことは無い通りだった。昔は銀座に来ることは時々あったが。用といえばギャップぐらいのものだろう。今でもあるのかは知らないのだ。あの、店が。でも来ることのあまり無い街で誰かと待ち合わせする場所としては、下北沢もそうだろう。だから記憶に残っているのかもしれない。特に、若い頃の。一人で行くことはあまり無い場所は、そこ以外無い。特別な景色だとも言えると考えていた。歳をとって友達との時間がなくなると行かなくなる場所。酒を何杯か飲んでいたけれど、そこまでおいしいとは思わなかった。ここまで、世相というものが、アルコールの味を変えてしまうとは、驚きだった。そこにグラスを置いて喋っていたけれど、何か思うことは空回りしているようで疲れていた。店は、満員というわけではないけれど、賑わいを取り戻しているのかもしれない。でも毎日自炊ばかりしているので野菜や肉の味が薄く感じられるのは不思議なことではないのかもしれないのだ。そして、最近の世相についての話をして、店を出た。
ユニクロのスウェットが少し大きめのサイズで着づらいということが頭にはあった。そして、二軒目で、たこ焼きを食べたのである。酔と胃腸の疲れの中で、自分が何なのかを考えていた。昔、返品しすぎて、断られたことを。僕は渋谷のパルコの、今はない建設で取り壊された店だったと思う。そこの僕は地下にいた。そして、何かを、探していた。