秋のどこかで


秋は夜。今日は、横浜へ。せっかく使えるチケットなので、黄金町バザールとバンクアートを見に行った。横浜でアートを根付かせるという施策も、コンセプチュアルアートという形で、形それ自体になりつつある。この地での川俣正の人気を見れば、それは、容易に理解できる。都内だと、こうは簡単にはいかない。しかし、その人気によるものではないしても、コンセプチュアルアートにしても広大な土地と横浜独特の素朴さがなせる必然的な現象のようにも思えるのである。
とにかく、不思議なものだった。川俣氏のインスタレーションに必死に見入る人の群れ。そして、その、制作過程を追うビデオの前にも人だかりができていた。その作品は街の景観に奇妙にマッチしていた。感覚的な浮遊感のある、無数の鉄の板。以前使われていた木よりも、たぶん、それは、インパクト自体は強いのではないだろうか。