ベトナム旅行の帰り道

僕はそれから、飛行機に乗って、日本に帰った。やけに高いので、ロビーで買いたかったが、買わなかった雑貨。僕は、でも、またいつか来る日が来ると思った。女の子たちはコンセントを使って、ゲリラ的にスマホのバッテリーを充電している。ベトナムではツアーで、日本人ツアーを勧められたのが意外だった。日本人ツアーは高かったので、そうはしなかったが…。ガイドは、ベトナム人と中国人の舟に日本人である僕を乗せた。そういう愛国心は、彼らにはあるのかもしれない。祖国に対して、というよりも僕は否定的すぎるのかもしれない。いや、戦争を何も知らない世代だからなのだ…。しかし日本人が日本人の音楽を聴かないというのも、おかしな話ではある…。そういったことは、昔ウェールズのイギリス人と話した時にも感じられた。彼も、祖国の文化に対して、一貫して否定的だったのである…。彼が言うには、日本人の奥さんを探しているらしかった…。彼らは、外国の文化を手放しで褒めたりもするが、そういった光景は、しかし、はたから見るとなんとなく滑稽ではあった。

成田に僕を載せた飛行機は着陸した。日本に行く人はベトナムからは、少ない。ベッドにして、3席開いていたので、そこに寝ていた。そばに、おばあさん、ベトナム人らしき。それとも、どういった趣きなのか、日本人なのか…。肩をロシアから着いた便と並べる荷物置き場。妙に歴史の重みからして考えると、ベトナムのほうが重く感じるのが不思議ではある…。早期に近代化が進んでしまった国は、あまりにも安定してしまって、おもしろくはないのかもしれない。