ベトナムで私の財布がすられるまで2

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30分ほどバスに揺られていると、ターミナルに着いたらしく、メガネの集金の女子が小さい声で話しかけてきた。そこでよくわからないまま下車すると、とにかく自分の場所を確認するためにWifi起動!ザックを盗もうとする人間は流石にいないようだったが…、しかし、どこか通行人のスキを伺うような視線に治安の悪さを実感する。彼らの視線は、ポシェットに注がれているようだった。安宿にどうにかたどりつくと、老人に部屋を案内される。このホテル、窓があるのは良かったが、深夜のクラブ的騒音がむしろキツかった。しかし、バスタブもなく、シャワーもお湯が出ない宿だとは…。金額は1000円ほど。ドアがあいていたり、電気が消されていたりと、知らない間に誰かが出入りしている痕跡が残っていたりするベトナムの安宿はドアに鍵がかかっていないと思ったほうが良い。そういうことも考慮し、一応全財産(13000円)をもって外出したわけだが、これが仇となった。WIFI、カメラ、財布、スマホを持ち運ぶとなると、腰ではなく肩からポシェットを下げる以外にどうしようもなかった。WIFIの装置を、ポシェットの中に入れておくのはおもすぎて辛い。wifi入れる用のリュックが、ポシェットの他に、必要なのである。実体験が無いことには、こういった装備は思い浮かばないことだろう。そして、スられにくいような剛性のあるジーンズに、札を直で入れる。セーフティボックスのない安宿を一泊ということもあって選んだのが仇となった。

実際、私は金を警察官に騙し取られたことはあるが、スられたことはなかった。とりあえずフォーを食いに行こうと、一歩外に出た。僕以外、ブイビエン通りで日本人らしき人はあまり見かけなかった…。誰も彼もが新米らしき僕の顔を見ては話しかけてくるという落ち着きの無さ。またカップルで来て、オシャレに街角を歩くという雰囲気は無いということも、理解しておきたいポイントの一つだ。カモられるのもしょうがない。来てはかわすバイクに、一苦労。なんせ、大量のバイクが歩道を走っていく国だから…。見知らぬ誰かが、公園でも目を光らせている。フォー24に到着し、レギュラーサイズでそれを頼んだ。さっそく歩いていると、後ろを付けてくる怪しい男がいたが、その時は、ポシェットを前につけていたから大丈夫だった。日本で食べるものとは違って、フォーは香草の匂いがキツく、現地で出されるものとしてはけっこう微妙な料理かもしれない。遠くの方では、日本人カップルが座っていた。唐辛子より辛いものが皿に何気なく出されており、舌がしびれて、泣いた。僕はよくこんなものを食っているなと、それを見て何となく感心した…。