ベトナムで私の財布がすられるまで1

[slideshow_deploy id=’1081′]

今年の旅行先がなぜベトナムだったのかを考えると、コスパによるところが非常に大きい。タイとの違いも、街の景観や料理から何となく感じられるという魅力もある。値段の割には、美味しい料理が食えるのではないかということばかり、ガイドブックを見ながら考えていた。治安は良くなく、あまり、人当たりは良くないという話もネットの情報では同時に散見されたわけだったが。そして実際に街を歩いてみると、凸凹な上にけっこう地元民の目つきやオーラがきつく、何も、心は癒やされたものではなかった。何も券を買った時点では予想してはいなかったが、のちにそれを体感することになる。横断歩道は全く守られていないので、観光客は来るバイクや、車を渡る時に必死でかわす必要がある。それ以上に、バイクなしで生活すること自体難しいだろう。私はベトジェットに乗るために成田に向かった。

私が、もしもベトナムで老人になったときのことを考えると、けっこう何をするにも厳しいものがあるように感じる。チェックインは朝9時発となると7時。ベトジェットはなにせ、毎日同じ時間の便で、それ以外の便はなかった。この試練の旅行は、そこからすでにはじまっていたのかもしれない。土曜朝5時の電車はゴルフの道具を持った人も多かった。外国人旅行者の、空港に近づくにつれて増えてくる見慣れないトランクの色。そこにいた、誰もが眠そうな顔で。アジア系の、少し日本人とは顔立ちの違う旅行者も増えたものだった。少し悩んで僕は週刊プレイボーイを買った。休憩もままならぬまに成田に着くとチェックインをし、中の本屋などを歩き回っていたことを覚えている。やはり機内には日本人ばかりで聞き耳をたてていると、食べる話をしてばかりいたのが、とても印象的だった。空港を発つ前に、カンボジアで使うためのドルへの両替を行っておいた。

30代くらいの若者が隣には二人そろって座っていた。日本円を両替のためにわざわざ降ろしたのがあとで仇となった。財布には円が6000円ぐらい入っていただろうか…。やめとけばよいのに、ベトナムに着いてからも得意のクレジットカードでのキャッシング。それ以前に財布に金を入れてもちあるかなければ…。円は、思えばできる限りつかっておけばよかった。ゆうに、飛行機の階段が取り付けられるまでに、30分は待たされてテンションの上がったはずの乗客は疲弊。かなり、最近タイを旅行していたので、国内のような気分で気が緩んでいた…。ベトナムの空港での、そして、入国手続き。相手はベトナム語を繰り返し、子供のように泣きそうになった私。わりとしかし、女子の目は透き通った瞳で、かわいい気がした。ベトコンを舐めてました。後で調べるとそれは、ホテルは予約してあるのかというけったいな意味らしかった。そういった人を見るのは観光客ならではの楽しみかもしれない。複雑な関係性の中に路地を歩くだけでも捉えられてしまう、このようには、日本だと、いかない。大量の人間に、ベンちゃん空港を出ると、出迎えられた。声も、そして、かかってくる。タクシーによるぼったくりが横行とのことなので、バススタンドへ向かう。払っても100円と、無意味な額だったが…そこでは、逆に、金を払わされずに乗車。