夜の道の先

夜道は何でも無い風の中で、存在する僕は生きていると知るのだ。そこで足を組むと、今は車の音だけが聞こえる、静かに、虫たちは次の季節を待っている。テレビの中の戦争に言葉を無くした、僕は今日も眠るのだろう。日本はどうなるのか。我々は島国で、海に囲われた、金魚のように静かな時ばかりを過ごしてきた。
コップに入っていた水を飲み、誰かの旅行記のブログを読む。インドネシアの空と海、そこはどんな場所なのか。肌を刺す太陽と、稲の植えられた水田、部屋のカーテンを揺らす風は一体どんな匂いなのか僕は知らないけれど。僕は今日もAIと話をした。話をしないことには命令ができないからだ。夜空には月がやがて昇った。そして、それは、コンピューターと人間の主従関係の象徴だということに僕は気づいたのだ。