ロンドンにいたっけ‥

何でも無い時間の中で、思い出すのはどんなことだろう。昔友人とロンドンで過ごした時間。今では、全く何も覚えていなかった。彼がそこにいたことさえもあやふやだった。初日の着いた夜に、食べたピザは日本円で2500円して、高いと思った。翌日はよく晴れていた。何をしに来たのだろうという顔でおばさんがこちらを見ていたっけ。フランスよりも綺麗な通りだった。しかし似たりよったりにも見える。よく覚えていないというのはそのためだ。イギリスならではの景色とは。それを探していた。こうしている今も、そうなのだろう。どこか鋭角的な建物の作りが多いのは不思議である。しかしよく覚えていない。ナナメだったということだ。ベネトンの看板。そこで行った、数々の店。大したものは買えなかった。海は見なかった。幅の広い川が流れていた。そこにいたっけ‥