サプリを買いに行った午後

サブスクで見つけた曲をレンタルしてみようと思っても、無いのが常で。昔はランキングを見てCDを借りていたけれど、最近のことを思い返してみると、そのような習慣自体がすでになくなっているのに気がついた。同じように、レコードで音楽を聴いている人たちは、売り場に並んでいる盤を見ている限りは古いものを聞くのが常なのだろうと思う。今日は代休を取り、近くの漢方薬局で怪しい大豆由来のサプリメントを買ってきた。8000円という値段に、店主は喜んでいた。それにしてもまあ、落ちた皮を吸い取るための小型掃除機が必要だと思えるほどに、肌はこの時期は重度の花粉症並みにかゆみがキツい。それはどこか、冬の間に薄くなっていたようにも思えるし、暖房や衣類などから熱を取り入れるための仕様になっていたようにも思える。白いというよりもむしろサランラップのようである。そんなふうにして、少しだけ風の強い道の上を歩いて帰ってきた。先週までの冷たさは、今はもう、無いような気がする。ただ健康被害には黄砂をはらんでいるので注意しなければならない。ただアレルギーや喘息の原因ではないような気もすると、タイ料理の旗が翻っている外を見ながら、カウンターにそのサプリを置いて、僕は考えていた。

外に出ると、近くにはラーメン屋や、餃子の店が多い。そしてパチンコ屋が広いスペースを駅前にとっていて、駅前はやや路地の入り組んだ複雑な作りになっていた。駅ビルの中にはゲームセンターがあったりと、やや唐突な感じもする。郊外の街にはありがちな景色なのかもしれない。そのような景色を見ながら、僕は昔のことを思い出していた。昔、自転車で走っていた玉川上水の道を。僕は緑の木々の下を駅前に向かっていて、通りにある定食屋でカツの定食を食べることを思っていたものだった。店のテレビにはELTがデビューしたころで、三人が出ていて、店のスタッフがその、ボーカリストの話をしていた。並びの通りにはまだ、CDショップが営業していた。僕は、ツタヤで借りた覚えはないけれど、それを聴いたのは、3年後ぐらいで、彼らが解散すると思われていた頃のことだった。メガーズという中古CDが大量に並られていた店でそれを手に入れたのである。僕はそして、その、漢方薬局の最寄り駅の階段を登っていた。家に帰る前にどこかに寄ろうと思っていたが、やはりやめようかと思っていた。天気は悪くは無かったが、風が少し強く、黄砂が舞っていると聴いたからだった。僕は、そして、家の最寄り駅のホームに降り立ったのだった。