カンボジアの遺跡の暗い闇

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アンコール遺跡は石でできているので似たような質感だが、日本の寺などとは違い、明らかに構造の異なる建物ばかりだった。僕は運転手と様々な遺跡を回っていた。どこか日本の避暑地を思わせる林の中の涼しい通りだったが、実はそこには地雷が多く埋まっているということは、そのときは想像だにしなかった。そして、そういった事実を知ったのは実は旅行から帰ってきてからで、実はカンボジアにはベトナムに劣らず非常に血なまぐさい歴史があったというわけである。そうとは思えないようなホテルの支配人やレストランの親切な対応。ただ、どこか暗い影をそこに感じさせられなかったというわけではない。そのことを想像しながら、今思い出すと、それが、少し怖い。こういった純朴である人々とは対象的に役所の人々には本当に偉そうで適当なものを感じさせられたわけだったが。それから僕はアンコールトムという遺跡の前で降ろされ、中を歩いていったが、彼にそこでの滞在時間を知らされなかったということに気づいた…。彼は南門で待つと、僕に言い残していった。しかしそこは非常に広い場所で、途中、マップアプリを使ってもなかなか自分の場所が特定出来ず、すでに迷子であるということに気づき、このままではなにも見られずにピックアップされてしまうと思ったが、どうにかバイヨンという有名な寺院にたどりつき、中を歩きだしたのだった。しかし、そこでも事象ボランティアの学生に呼び止められて、断りきれずに僕は案内されだしてしまっていた。ただ、若者だからか知らないが、iPHONEのアプリの使い勝手は相当なもので、目を見張らされた。彼は僕の案内が終わると、またコウモリのように影の中にこもり、次のカモが来ないか、そこで待っているようだった。しかし彼は、一体どんな生い立ちなのだろう?そして、ボランティアというのは本当なのか?そこに、壮大な印象の遺跡とは裏腹な、どこか暗い影を感じないわけにはいかなかったのだけれど…。