ブックオフはつまらない

こうして、ここにいることの意味を考える。目の前を川が流れていたこともあった。雨の日には時々増水していた。夏は、そして、涼し気な音を立てていた濁った川だった。カモメが群れをなして、その柵のところにはいた。僕はいつも見ていたのだと思う、この景色ではなく、確かに目の前にあった、思い出を。最近は時々ブックオフに出かける。中に入ると、小説コーナーに人がいない理由はなんとなくわかる。最近はライトノベルの数も膨大に増えてきたけれど、やはり新しい感覚の小説を読みたいというふうに思える。日本人の小説家に、漫画家に比べてそれだけの層が存在するというわけでもないけれど。そういうわけで、あまりブックオフの中は立ち読みするにも、面白い場所ではなかった。最近は神保町によく行っている。古いものも新しいものも、膨大な量の数である。古びた、どこで誰が書いたのか知らないような雑誌の1ページを開くと、フランスの作家に関する、意味不明な言葉がぎっしり詰まっていた。このような知性が昨今の書店から失われてしまって久しい気もした。