耳のフィルター

スピーカーを売り買いしては、ファイル再生に合うものをと探した。現代のスピーカーはどうしても、刺すような音なので避けた。誰があんなものをと、部屋でフィルタを調整したりした。満足できないのは可能性を感じるということでもある。ある部分ではcdを確実に上回っているのだ。例えば歌手単体やインストで聴いたときなどだ。楽器や、声自体は高純度ではある。息遣いさえも感じられるほどだ。しかし満たされぬまま、動画を見ると、そういうソースで鳴らされた動画が大半で。誰もが自分が良いと思う音を鳴らすものだが、僕の思うソースはバンドで、それとは異なっていた。銀座のギャラリーを調べると、どこも移転していた。どこかに、でも、集まっているわけではなかった。昔はひしめていた通りも、今は、寂しくなったものだった。パリを旅行した時は一件も無かった、アートギャラリー。でも、現代アートを作るフランス人作家は一人も知らない。そういう状況もあるけれど。

自転車でどこかに行くこともなくなった、冬で。時々東京に出ると、安さに驚かされる。競争が激しいからだろう。でも、飲食店の美味しくはないのは水のせいなのだろう。誰に会うというわけでもないけれど。車の量が多い。僕の中ではできることなら暮らしたくはない街だといつも思わされた。そして移動した。昔面接で入ったことのある建物。あらゆる場所で可能性は試された。今振り返ると、関わった会社はほとんど潰れた。ひどい時代ではあったが、当時大手に入れた人間は周りではほとんどいなかったというのもある。