梨と故郷
梨と故郷

昨日は水についてのことについて書いたが、でも、よく覚えていなかった。旅行に行くと、現地の食材の美味しさを感じさせられるけれど、それはなぜなのだろう。最近マルエツで梨を買ったら、ベルクスの梨よりみずみずしくて美味しかったことを覚えている。手に取ると、見てくれも、色も整っていて、それは美しかったものだった。その味は、農家によって厳選された肥料や、天気の管理といったものによって生みだされているのだ。ベルクスの梨は、自然に任せて出来たような味の感がある。窓の向こうは、今は、もう、夜だった。耳には音だけが支配する世界の確かな空だけがそこにあったのだ。かつていた友達とはもう、連絡の途絶えた、星だけの光る空。この間川に行くと、魚を取り逃がした男の姿をそこで見た。僕はベンチでそれを、撮ろうと思ったのだけれど、魚がいないようでいて、いる川だったのだ。隅田川のヘチ釣り。僕は、でも、誰が最初にやりだしたのかはわからないのだ。記憶の中では、その釣りを見たのは最近だ。歩きながら糸を垂らしているという、奇妙な姿。花ももう、最近は目に映ることもなく、子供の頃の記憶だけが確かだ。

そう、まだ美味しい水が売られていた頃。目を閉じると、仲間のいた、近所の公園にいたっけ。あいつは有名大学に進学したのだ。そしてあいつは、寿司職人になると言って、家を出たのだ。あいつは、遠くサンフランシスコで仕事を見つけたらしかった。いろいろなものが、魅力的に見えたものだった。僕はというと、実家を出てから、顔も見せずにいた。カラーバットを、そこに、でも、手で置いたまま。