年初の不運
事前にyoutubeで勉強しておいたので、どうにか前輪のブレーキが直った。それでも一時間はかかったとは思うけれどスパナは二本は必要だ。そんなことを考えていた。工具を郵便受けに入れて歩きだすと、日は暮れかけていた。今ではむしろ涼しいぐらいで夏の間は蒸し暑すぎて汗だくだったアパートの駐輪場も苦にはならなかった。冬は、こういったことをするのにも有利な季節なのかもしれない、走り出すことが、ランナーのように億劫になるようなことはあるとは思うけれど。空に浮かんだ枯れ木の枝に、どこかで見たことがあったような風情を感じていた。低い家並みの上にかかっていた青と黄色の、グラデーション。西川口で見たことのある遠い彼方の染められていたピンク色の夕暮れを思い出させられていた。
年明けに壊れたIHコンロの修理で、焦っていたが、メルカリで買った中古のコンロで、どうにか今は過ごしていた。ただ、郵送の不備でガラスの部分が割れていたという不運がついていた。水をこぼさないようにしてそれでも使っているという目の当てられない状況だった。やはり二口はないと、味噌汁を作ることに手間取ってしまう。管理会社は9日まで休みと、長かった。そんなに休んで、どんなことをしているのかは、わからなかった。普段の対応も悪いので引っ越したくなる時が多い。郊外の物件は安い分選ぶのが難しくそれなりの知識がないと貧乏くじを引かされるということに、気づいていた。それでも、見てくれだけは、東京の物件よりは広かった。それは重要だった。ただ、割れていたパナソニックのIHコンロはやはり使いやすい気がするのだ。心なしか食材が焦げ付きにくいような気もしている。