春先の蛇
昨日見ていた蛇は、コンクリートの上を這っていた。見ていた場所から、ポールをつたいながら川の上に垂直に下りていっていた。僕が見ていると、少しだけポールをつたう動きを止めたようだった。でも、目を離していると、いつのまにかそこからいなくなっていた。どこで蛇は生まれたにしても、知らないどこかで生きてきたのだろう。そして、でも、そこの穴で、おそらくは冬眠していたのかもしれなかった。先週の暖かさで穴から出てきたのかもしれない。蛇の暖を求めてやってきたそこで僕は蛇の姿を見た。蛇も同じようにここにやってきていた。