昔の風景

最近寝起きが悪く、春だからなのかと思っている。老眼だからなのか、近距離だとピントがぼやける。イタチと蛇を今日は見た。ここ最近の日差しでコンクリートも温まっていたからだろう。多摩川では決して見ることのできなかった動物たち。大人の手首ほどの太さの蛇だったので、噛まれたりすると危険に思えた。今日はせんべいは、そして、あの店で買わなかった。僕にとっては自然があるということこそが郊外の魅力で、記憶の中では枯れていたはずの草の間から緑の幹を出した菜の花が黄色い花をつけていた。緑と黄色が、殺風景だった堤防の景色を変えていた。春はいろいろなものが変化していくときなのだと思う、そのような変化自体が目の前にはたしかにあった。僕はかつて同じようにこの堤防に腰を下ろして、遠くを流れていた川を見ていたものだった。そんな気持ちを確かめる意味合いもあって、ここまで来た僕は、今も同じ川を見ていたのだけれど、しかし、仕事も環境もあの頃とは変わってしまっていた。あれから仕事を転々としてきた僕は、運命に抗える力もなく、一人、景色の中にいた人の形をしたシルエットであり、ガシャポンも、理由もないのにあちこちに増えたもので、その前を通り過ぎるときにやってみたいというふうに思わされることがあった。