
今日も新宿をぼんやりと歩いていた。誰と会うこともなくこうしているのは、確かに力なのかもと思いながら、腕を振っていた。かつては、僕はこの街に、友達とアダルトビデオを買いに来た。僕らが注文すると、ショルダーバッグに入れたそれを、違うスタッフがどこかから持ってきた…。また時には、ロックバンドの海賊版を探しに来たこともあった。僕はかなりの金を出して、それを手に入れた。もう並んでいた店の面影はそこには無いけれど…。かつては新宿で何度か面接をしたけれど、あまり縁の無い街だった…。金を払うことはあっても、得ることは無かった。しかし、確かにここで受けている光線治療の効果は感じている。
何がそこにあったというわけではないが。僕はまた、旅行の計画を立てているというわけで。去年のタイ旅行。一番魅力的に見えたのは、夜の風景だろうか…。そこで働いている人々の横顔だとか。ゴハンは、ローカルな場所のほうが外れは少ない。本当においしかった…。特にオレンジジュースと、海鮮料理、鶏肉などだ。そして、ドミトリーで共に泊まった人のことだとか。やや湿った街の通りを歩きながら、僕は女を探してうろついていた。マンゴーを食べたり、ハンバーガーを食べたり、マッサージを受けて、ビールを飲んで寝た。
最近、自分を取り巻く環境が明らかに変わっている。今日新宿を歩いていて、確かに感じたことだ。ビームスの購買層について考えると、不確かというのが一つ。ターゲットとする年齢層はどのくらいなのか。40代以上が買うには、明らかにテイストが子供っぽいように思われた。20代30代にとっても、ハードワーカーである彼らが、気軽に買えるような代物も少ない。素材などクオリティの高いものを集めたとしても、彼らが着るには、似合わないような気もする。そう考えると、今の世の中ではなかなか微妙な存在なのだ…。そして、タイという国の魅力は何だろう。どこにも属さない風景や人の魅力だろうか。フィリピンやベトナムというと、どこか西洋の影響を感じさせられてしまう。中国にしても、どちらかというと影響を与える側の国である。汚されたものとしての。それは日本では閉め出されてきたものでもある。タイ人も日本に訪れることが多いという。そのような、意識下にある排他的考えの厚さが、その、似た国への興味関心へと向かわせるのかもしれなかった。