海路とコストと

それから、全員乗り込んだ。着いたので、船が。前の方にトランクが投げられている。それは、いつもの事のようにも見えた。タイ人はキビキビ動き、真面目な人たちのようにも見える。時々、彼らはタイ語で旅行者の悪口を言っているが…。それは、なんとなくわかった。しかし、とにかくこの値段だからしょうがない。最初は大きめのボートだったが、サムイ島でボートチェンジし、そして、小型ボートに乗り換えた。そこからざっとタオ島まで三時間だった。長いといえば長い時間だ。
小型でスピードを出すのでエンジンはうるさいし、かなりゆれる。嘔吐者を多数出した。音楽を聞いたりアイフォンを見る余裕なし。バンガンという島を経由してからは、延々と同じ青い海が続く風景。見飽きると、そして、耐えるほかなかった。なんせねることもできないのだった…。飛行機でのアクセスはできない。あるものはつっぷし、あるものは薄目をそこで開いていた。この海の向こうには天国のような世界がきっと、待っている。誰もが皆、波の叩きつける窓を見ながら、心の中ではそんなことを考えていたことだろう。