男の風

一週間ぶりに外に出るとものすごい寒さと風で、きつかった。僕は蛍光灯を探して歩いたが、どこにも、電気屋はなかった。今は、ドラッグストアで、蛍光灯は売っていた。蛍光灯は前の部屋では無かったので、きっと、そう思ったのかもしれない。ノジマのポイントがあるのだということを思い出して電車に乗ってはみたが、現地でオンラインと店舗のポイントは別なのだという説明を受ける。しかし、ヨドバシでもビッグカメラでもそんなことはないのだ。そして、このポイント隆盛時代に大きな間違いだと思わされた。捨てるための蛍光灯をリュックに入れて持ってきていたので、手に何も買わずに帰るわけにもいかず、ポイントはエロ動画を入れるためのHDDへの金にあてることにして、とりあえず蛍光灯は買って帰ることにした。

注目していたLED電球も今では随分と安くなっていたものだった。それは、8年ほど前は2,3千円は当たり前だった。僕は性能についても家でつけると有機ELのような眼球への違和感もなく大丈夫だった。しかし屋内での労働が常なので冬の寒さが非常に身に堪えた。同じ場所に昔歩いていた通りを歩くと、100円玉を入れてよく買っていた自販機があったが取水場はなくなっていた。そこでいつも、僕の腰を下ろして指で詩を書いていた取水場は、綺麗な場所だった。僕は目黒に通っていた。電車の中で流れていた時間は、そして長かった。一人の男が渋谷で行われた忘年会の行事が終わると交差点で別れ、イベントに出かけていった。