メコン川に、浮かぶ

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僕はそれから、おばさんの漕ぐ舟で、同乗者3名と川を進んだ。マングローブを見つめながら、昔見たベトナム戦争の映画を思い出していた。鬱蒼としているが、しかし、どこか退廃的な雰囲気の漂う植物のシルエット。それらは、スケール感があり、そして、肥沃すぎるような土色をした川が眼下を流れていた。何の変哲もないような植物群にも何かを感じさせるものがあるということ自体が、魅力的なのかもしれない…。それは、ベトナムの街角を歩いているときにも感じていたもの。自然や、人の織りなすパワーと言うか。こういった何の変哲もないアジアの国にこそ、そんな雰囲気は、確かに、あるのかもしれない。途中で、流れが激しくなっているところがあり、舟が前に進まなくなったので、それを、乗客もオールで手伝う。しかし、流れは激しく、なかなか前に進まない。あれだけのスコールがあった後だったというのがある。ただオバサンは、なかなか良い人で、傘を、そこで貸してくれた。その時、中国人の女子が微妙な態度で、民度を疑った…。でも若いので、それも、しょうがないのかもしれないが。