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二杯目をおかわりすると、たちまち魅力が薄れてしまう。ベトナムコーヒーにしても、一日一杯が限界という食べ物は、向こうには意外に、実はわりと多い。そんな気がしながらも、毎日のように飲んでしまうのがベトナムコーヒーの味なのかもしれないが。賃貸会社が間違えた更新料を知らせてきたので、窓の外を見るとそこにのさばっている雲のように、オーナーがらみで面倒なことになっている僕…。僕はといえば、アンコール遺跡を見て、もう一個を見て、ボランティアと称する学生の男にガイド的な写真スポット巡りをやってもらっていた…。しかしまあ、語るべきものなどあまりないのかもしれないが…。ただ、客観的に考えると、学生である彼らが、そこでやるべき仕事なのかもしれない。そこが、考古学博物館だというのなら、話すことは色々あっただろうけれど、ただの遺跡なのである。彼は人気のないところで金を私に要求した。宗教の勧誘にしても、ボランティアにしても、悪いことではないのだが…、カンボジア人が、良い人なのか、悪い人なのかはそこに意図がある限りは結構微妙なところもあるような気もする。そんなことを考えながら僕はバイクに乗っていた。運転手は、僕に飯を食うように勧めてきた。
僕はあるきかたに出ているレストランに行くように言ったけれど、けっこう遠そうなので、彼のすすめる場所へ。想像道理というか、そういった場所というのは、やはり微妙な味だった…。ただ、アモックを食えたのは良かったけれど。アモックは辛くないタイカレーのような味で、そして、どこか人肌臭い舌触りがして、埼玉の定食屋を思い出させれられた。今思えばバイクタクシーをもう少し使えばよかったかもしれない。ただ二日間ということもあり、天候には恵まれなかった。ベトナムにその時間を注力すべきだったのか。そうすると、持て余した時間を、風俗やショッピングに注ぎ込むことになっただろうけれど…。そこでデザートも頼んでみた。バナナにココナッツミルクをかけた素朴な料理だったが、本当に素朴な味がした。どこかフックが欲しいと思ったが…。それらを食って、下で運転手と少し話した。ハンモックで寝そべる彼は、兄弟に日本人がいるという。どこか、日本のレストランで働いているのかもしれない。そんなことを考えながら僕は自分の年齢を詐称し、マトモな人間であることを話した。川が、近くに流れていた。雨が、わりと降っていた午後。風が爽やかでストレスもなく、こういった場所で生きていくのも悪くはないような気もした。そこに女がいるのなら。彼は僕が滞在するのはカンボジアには2日で、ベトナムには3日だということが気になったようだった。彼も中国があまりスキではないと、そこで僕に言った。僕はそこで、そういった考えを持つべきではないと言うべきだったのかもしれないが…。それにしても、一体なぜ、僕はカンボジアにいるのだろうか。僕は、時々、空港などで日本人の旅人を見かけた。ただ、日本人ではないにしても、ハネムーンで来るようなところではない。学生のような連中ばかりなのだ。そういったファンキーな人間たちに紛れながら…。彼らの、ややツヤのある声の、人生を応援していた。